国民宿舎 古岩屋荘
施設について
国民宿舎 古岩屋荘は、四国八十八ヶ所霊場の第44番札所「大寶寺」と第45番札所「岩屋寺」がある愛媛県久万高原町の宿泊拠点として、長年多くのお遍路さんに親しまれています。
標高1,000メートルを超える四国山地の山々に囲まれた高原地域である久万高原町は、お遍路さんにとっては、高原の険しい山道の登り下りや、冬は厳しい寒さと積雪に苦しめられる難所ですが、スタッフの皆さんがあたたかいおもてなしで迎えてくれます。
宿の目の前には、宿の名前の由来にもなった名勝「古岩屋」がそびえます。
直瀬川の両岸に円錐状の岩峰がいくつも連なり、水の浸食作用によって岩がむき出しになり、さらに無数の穴があいた奇岩の様を見物しに、多くの観光客が訪れます。
特に新緑や紅葉の季節の岩と樹木のおりなす自然美は目に鮮やかで、岩に住み着く多種の野鳥とともに写真におさめようと写真愛好家でもにぎわいます。
国民宿舎として開業したのは昭和49年(1974年)の老舗宿で、施設は昔ながらの和室メインの宿舎風情で少々年季が入っていますが、広々した施設でゆっくりと疲れをいやすことができます。
部屋数が多く、1名でも利用可能な個室和室、大人数が雑魚寝できる大部屋和室など部屋タイプも様々で、宿泊定員は100名を超えるので、個人宿泊者はもちろん、団体のお遍路さんや、学生の合宿などいろいろなお客さんのニーズにこたえられることも特徴です。
宿の名物は、豊かな自然から湧き出る天然温泉の「岩風呂」と、山の自然の恵みをふんだんに使った「山河料理」です。
低張性アルカリ性冷鉱泉の良質な温泉が自然石の間を豪快に流れ落ちる岩風呂は、いろいろな効用だけではなく、目や耳も楽しませてくれ、地元の人も日帰り入浴に訪れる人気のお風呂です。
キジやイノシシなどの滋味豊かなジビエ、きれいな水と空気がはぐくむ山菜、山深い清流を泳ぐ川魚など、高原ならではの食材を使った料理も古岩屋荘ならでは魅力のひとつです。
宿の駐車場に併設されている休憩スペースでは、休憩や野宿をする歩き遍路さんをしばしば見かけます。
古岩屋荘を利用しないお遍路さんにも、休憩や一夜野宿の場所を提供する姿こそ四国のお接待の精神、古くから旅人に愛されてきた理由がわかるような気がします。
最近は、宿周辺の遍路道や景勝地、史跡などを宿のスタッフが案内するガイドツアーを積極的に行われていて、お客さんとスタッフが交流する機会が増えているので、より身近におもてなしを感じられることでしょう。
昔から遍路宿としてお遍路さんを支え続けてきた宿で、四国の歴史と文化を体感してみてください。